春風~HARUKAZE~
春風との別れから、一日経った。

ハルカとの別れとは、違う。

涙も出なかった。

でも…すごく、淋しい…。





「おッはよー!!」





そう言って、背中を叩いてきたのは藍だった。





「何だよ朝からッ。テンション高いっつーの!!」

「周の代わりに上げてんのッ。…聞いたよ。」





急に、暗くなる藍に、何のことか気がついた。





「あー…うん。」





僕は、ごまかしながら言った。





「…そういうとこ、困るのよねぇ…。」

「は??」

「本当は悲しいくせに。そりゃあ…いろいろあるしハルカチャンの時とも違うけど…周の顔は同じだよッ??」





…藍は、みんなお見通し、か。

いつだって、そうなんだよな…。





「まぁ、春風も泣いたみたいだけど…もう大丈夫。今日は無理かもだけど、普通に話してあげて??」

「…わかった。ありがとな。」





いつもは言わないけど…ありがと、藍。





「…どーいたしましてッ。でもあれかぁ…周はハルカチャンじゃないと、だめってことね…。」





藍は照れたように言って、すぐにいつもの強気な藍に戻った。
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