春風~HARUKAZE~
*





「…周ッ!?…目を、覚ましたわッ!!大丈夫ッ??」

「……母、さん…??」





…ここは…どこだ??

白い天井…白いベット…病院??





状況を理解している間に、医者が来て何か検査をしたみたいだ。





「……異常はないようですね。怪我も大したことないですから、すぐに退院できますよ。」

「ありがとうございます…ッ。良かったわぁ…。」





医者の言葉を聞いて、安心する母さん。





「…周、あなた、事故に遭ったのよ…。でも本当、無事で良かった…。」





事故…そっか、あのトラックにぶつかったのか…。

でも、怪我も大したことないって、すぐに退院できるって、言っていた。





「…俺…無事だったんだよな…。」





誰に言うわけでもなく、僕はつぶやいた。





「…そうよ。…2日間、目を覚まさなかったから、驚いたわッ。藍チャン達も来てくれたのよ。」

「…藍達って…??」

「あぁ…杉山クンと…あと、春風チャンも。」





…春風…??





「…周??――」

「――周、目覚ましたって本当ですかッ??」





病室に駆け込んできたのは、藍だった。

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