春風~HARUKAZE~
だって…変なんだ。

佐々木を、見てると。

これは…この気持ちは、何だろう。





「こんにちはーッ。」

「…藍チャンッ…。」





高いテンションで病室に入ってきたのは、藍だった。





「周、どう??まだ思い出さない??」

「あぁ…。」

「そっかー…まぁ、少しずつでいいんじゃない??」





藍はそう言うと、佐々木に笑いかけた。





「うん…そうだねッ。長倉クン、無理しなくていいよッ??」

「…ありがと。」





僕は笑顔の佐々木を見ることができなかった。

その笑顔が、あまりにも綺麗だったから…。





「…じゃ、周も大丈夫みたいだし、私帰るねッ。」

「あ、おー。ありがとな、藍。」

「いーえ。じゃあねッ。」

「またね、藍チャンッ。」

「うん、明日学校でねッ。」





そう言って、帰っていく藍。





…病室には、僕と佐々木だけだった。
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