春風~HARUKAZE~
*





「…こんにちわ。」





事故から二週間。

僕の記憶は相変わらずだった。





佐々木は、毎日病院に来てくれている。

休みの日は、面会時間開始すぐに。

平日は、学校が終わってすぐに。





「今日、杉山クンが心配してたよ。あとねー、来週はテスト。退院できるかなぁ…??」

「そっか。早く退院したいけどなー…。」





記憶は戻らないけれど、医者はそろそろ退院してもいいと言っていた。





佐々木はその後も学校の話をして、帰って行った。





…僕は、いつの間にか眠りの中にいた。
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