親愛なる「丸」
それから、僕たちは何度もベース「でえと」をした。

「風が気持ちいいー!!」

君は、飽きることなくバイクの後ろで絶叫していたね。


……そうするうちに僕たちは、その日のベースの感想を言い合う「反省会」のような時間を持つようになった。

「〇〇のあのネタ初めて見たけど、めっちゃうけましたよね♪」

「××はツッコミがまだいまいち!!」


ベースはいつも夕方から夜にかけてだったので、時に晩ごはんを食べながら、時に喫茶店的な所を利用しながら、そして、互いの家でも――。

いつしか僕たちのそれぞれの家は、お互いの家になっていった。







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