親愛なる「丸」


僕の所属……という程でもないが、入っていたサークルは、とりあえず楽しそうなことをみんなでやる!というサークルだった。


新歓時期の定番は、例えば、夜の大学内「ケードロ」。


20歳前後のいい男女がケードロなんて……と思うかもしれないが、普段のキャンパスの賑わいからは想像できない静けさの中走り回るのは快感だった。


そういえば君は、

「ケードロのことを私の地元では『たすけ』って言うんです!」

なんて主張していたっけ。


これも、貴重な君語録に登録してあるよ。(笑)



そんなサークルだから、年中がイベント尽くしだった。


イベントは、恒例化されているものもあったし週1回のミーティングの時にメンバーが企画を提案する方法でも行われていた。



そんな活動の中で(もちろん外でも)、君に度肝を抜かされたことは何度かある。


1番最初は、ゴールデンウイークに毎年行われる「チャリ旅」。


これは、僕らの大学のある大阪から琵琶湖まで自転車で往復する、いわば新入部員への洗礼みたいなものだ。


体力的な面から、例年男子だけで行われていた。


ところが君ときたら、この企画がサークルのミーティングで挙げられた時から興味津々。


興味だけでは片付かず、

「私も参加したいです!」

と僕に言ってきた。


名ばかりの会長をやっていた僕だけども、

「これは本当にきついからやめておいた方がいいよ」

と心配を一応してみたりした。


……が結局、彼女は異例のチャリ旅「女子」参加者となった。


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