親愛なる「丸」
突然の雨……というより、雷雨。
とりあえず僕らはコンビニに寄りがてら雨宿りさせてもらうことに。
しかし、これはさすがにやばい。
一向に止む気配がない。
幸い、すぐ近くに地下鉄の駅がある。
僕は君に、地下鉄で帰るように言った。
「先輩はどうやって帰るんですか?」
僕はバイクがあるから、乗って帰るしかない……という旨を伝えるや否や、
「なら私も一緒にバイクで帰ります!どうせ濡れるなら2人で濡れた方が楽しいでしょう♪」
また、「丸」にやられた瞬間だった。
今度は君が、ジェットコースターを待つ小学生に見えた。
普通雷雨に打たれたがる女の子なんていないよ。(笑)
そんな僕を置いてけぼって、「一応カッパ着てみますか~」なんて言いながら、君はいそいそと2つカッパを買っていた。
「はい、どうぞ♪」
命の保証はないよ、と笑いながら君に言ったその時には、僕はもう落ちていた。