神の森
「光祐、わたしたちの気持ちは、家族の誰も欠かないことで一致しておる」
啓祐は、光祐に同意を求めて決断を促した。
光祐は、静かに目を瞑って考えていた。
「父上さま、母上さま、家族の気持ちは充分に理解しております。
が、この件は、わたしに任せください。
祐里を一度神の森に帰します」
光祐は、きっぱりと宣言した。
啓祐と薫子は、驚きのあまり言葉が出なかった。
優祐と祐雫は、光祐の決断に反論する余地もなく、
手を取り合って光祐の顔を見つめていた。