神の森
優祐(ゆうすけ)は、本人の希望と光祐の決断で、
都の中学校には進学せずに星稜学園中学校に進学した。
自分よりも勉強熱心な祐雫が女であるが故に
都の学校に進学できないのに、ひとりで行くには気が引けた。
優祐は、祐雫の学力を尊重していたし、
また、強気な祐雫の内面の繊細さもよく理解していたので、
祐雫と離れて都に行く気になれなかった。
優祐は、何時でも先ず人の気持ちになって考える
優しい性格に育っていた。
祖父の啓祐(けいすけ)は、落胆していたが、
父の光祐は理解を示して、他の家族も内心喜んでいた。