神の森
 
 十七時間かけて、緑が原駅に列車が到着した。


 無人駅は、ひっそりと静まり返り、

駅舎の外には青々とした田園が広がっていた。


 その間を真っ直ぐに神の森へと続く道が伸びていた。


「どうやら、あの遠くに見える森のようだね」


 光祐は、祐雫を気遣いながら、炎天下の陽炎が揺れる道を進んでいく。


 田園の稲の深緑が眩しく光り輝き、

陽射しを遮るものが何もないからからに乾いた道が長く続いていた。


 歩けど歩けど神の森までの距離が一向に縮まる気配は無く、

幾筋もの汗が流れた。


 蒼い空は、どこまでも青く、

光祐と祐雫に容赦なく直射日光を照らし続けた。



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