神の森
四人は、一晩中列車に揺られて、桜河のお屋敷へ到着した。
「おばあさま、婆や、ただいま帰りました」
優祐と祐雫は、無事に帰って来られた喜びに満ち溢れて、
疲れも忘れてお屋敷の玄関に走り込んだ。
「桜、いつもありがとう。約束通り祐里を連れて戻ったよ」
光祐は、優祐と祐雫の後姿を微笑ましく見送りながら、
お屋敷と桜の樹をしみじみと見つめた。
そして、明日一番に、家族揃って、先祖代々の墓参りに行こう
と考えていた。