世界を変えるまで
「後期は、少しレベルを下げて受験してみなさい。」
受験が近ずくたびに話すことは、高校のことばかりだ。
「ここなんかどう?」
-開成高校-
個人の個性を生かしたカリキュラム。
学力向上・規律・個性を大切に・・・。
「うん・・・考えておく。行ってきます」
毎日がつまらない。
毎日同じ日々を過ごしているのだろうか。
そして、日々起こる嫌がらせ。
今まで仲の良かった友達からの嫌がらせほど、辛いものはない。
でも、あたしのことを守ってくれる人もいないわけではない。
その人たちのおかげで今学校に来れている。
「あたし・・あんな子と同じ班なんかやだぁ~」
まただ。そんな事わざわざ口にされなくても
分かっている。
「聞こえちゃうよ。ふっふ」
早くここから離れたい。
あたしの事を何も知らないところへ。
「先生。あたし後期は開成高校受けます。」
母が言っているんだ。合格しないで人生を歩くより
高校くらいは合格してきちんとした仕事に就けば
母も文句ないだろう。
「そうか!先生も開成のほうが受かると思う。頑張ってくれ」
大人はみんな同じだ。子供の気持ちなんて
気づいていると思っているだけで、本当は何も見えていない。
「はい。頑張ります」
これで、大丈夫だ。
「ただいま・・・。」
毎日静かな家。
「お帰り。先生に相談してみた?開成高校のこと」
帰ってくれば受験の話だ。
「うん。開成の方が合格する確立が高いって言われたから
後期は開成受けることにした。」
もう、しょうがない・・・。
「そう。じゃ頑張りなさい。」
これでよかった。