絆 ─言葉が伝わらなくても。─
ありがとう。

ねぇ、結希。

なんであの時、結希はいなくなったのかな。


あの日、あたしが悪かったんだよね。


お母さんと喧嘩したあたしが、家を飛び出した。


あの時、首輪を外して追ってきてくれた結希は、いつもみたいにあたしの涙を舐めた。


あたし、イライラしてて、結希に一人で帰るように怒鳴っちゃった。


あの時、悲しそうに帰ってく、

結希の後ろ姿を

抱き締めてやればよかった。


あたし、ほんと、馬鹿だね。
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