絆 ─言葉が伝わらなくても。─
すっかり落ち着いて家に帰ってくあたしの目の前に
何か見えた。
ほんとにあと少しで家って所で、
結希がうずくまってた。
暗くてよく見えなかったけど
そこに行くまでの3歩の間、
あたし10回くらい神様に祈った。
「結希じゃありませんように」
って…
冷たくなった結希の口には
いつも遊んでたボールがくわえられてた。
近くにタイヤの跡があった。
あたしの目からありえないくらいの涙が溢れて、
びっくりするほどの声で結希の名前を呼んだ。