絆 ─言葉が伝わらなくても。─

次の日、お母さんが

「いつも外には出ないのに」

って言った時、

あたし 言えなかった。

「あたしのせいなんだ」

って。


あたしはただただ結希を抱き締めてた。

いくら泣いても結希は涙を舐めたりしなかった。


膝の上に頭をのせても、全然喜ばなかった。


まるで寝てるみたいで、余計寂しかった。


あの日、確かに、あたしの一部が無くなった。


だって、結希はあたしの妹で、一番大切な存在で、あたしの一部だったから。
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