絆 ─言葉が伝わらなくても。─
その日の夕方、結希を冷たくて暗い、土の中に埋めた。
あたしはどうしてもできなかった。
土を掘ったりまた戻したりしてた。
結希はあたしがいないと駄目だ。
もし
寂しくて結希が泣いても、こんな土の中にいたら、抱き締めてやれない。
こんな冷たくて暗いとこにいたら、結希、寒くて凍えちゃう…
夜になったころ、やっと結希を埋めてあげられた。
寂しくないように、あたしのぬいぐるみと
寒くないように、結希のまわりに毛布をくるんだ。
ごめんね、ごめんね、ごめんね
って
ずっと言ってた。
あんな事言ったら、結希が心配するって思ったけど
ごめんね、結希。
あたし、それしかできなかった。
ほんとに馬鹿だね。あたし。