絆 ─言葉が伝わらなくても。─
もう一度
ふわふわな結希を抱き締めたい。
もう、あたしが名前を呼んでも、君が走ってくる事はない。
ねぇ、いつもみたいにイタズラだったらいいのに。
「嘘だよ。びっくりした?」って顔して嬉しそうに
あたしの所に走ってきてよ。
お母さんやお父さんが仕事で夜まで帰ってこなくて
おじいちゃんが死んじゃって、本当にひとりぼっちになった、暗い家に、
まだ小さいあたしを心配して
お父さんが結希を連れてきた。