罪線
家を出て10〜15分。コンビニに着いた。

惣菜パンにアップルパイ、イチゴオレにチョコレート。

「毎回同じ様なもんで飽きないかねぇ?」

正直面倒臭いが、βから「人質の希望にはなるべく答える様に」って言われているから文句は言えない。

奴は、元々職も持たずにフラフラしていた俺に家や金を与えてくれたしな。

まぁ家は人質に取っている女のアパートだが。

そうそう、俺が初めてこのアパートに来た時は焦ったよ。

βから届いた、消印の無い手紙に書いてある場所に来てみたら、本当に人質がいたんだ。

女が手足を縛られ、口にはサルグツワ。

その女に

「犯人は俺一人じゃない。逃げようと思うな。そのかわり、逃げなければ生活は保証する」

と言って、後はある程度見張ってるだけで良かった。

β…会った事はねぇが、やたら頭のキレるやつだよ。

興奮すら覚えたね。

俺はスゲェ犯罪衆の中にいるんだってな。

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