罪線
ドサァ……


さっきまで、何とか歩いていた状態の禿げた男が、突然尻餅を着く。


「大丈夫か?」


とばかりに、白髪の男が背中を摩る。

どうやら彼の右手と左手は、別の人間が操っているらしい。

相手の背中を摩る傍らで、反対の手は自らのベルトを外している。


「アレで首を絞めるんだな。写メで抑えるだけでいいのか?」


「いや、ハゲがオチた所をキミが写メ撮ったら僕が大声を立てる。そしたらすぐに逃げよう。あくまでも僕らは"偶然現場に居合わせただけ"なんだ」


「っほぉ……流石、頭がキレるねぇ。ネクラくん」


黙れ。


「ほら、絞めるよ。用意して!」



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