罪線
ある日の下校途中。

僕は前方を歩くケンタロウの姿を確認すると、すぐにそれを追い掛けた。


「やあ、ケンタロウ君。今日は何して遊ぶ?帰ったらすぐキミんち向かっていいの?」


それは"今日も遊べる"という事が前提の言葉。

確認は取っていないが、間違いなくOKが出てくると思っていた。


が……


「平岡君ゴメン!今日の夜は家族で出掛けるんだ。また明日遊ぼう?ね?」


答えはNO。


「そう。ならしょうがないね」


淋しい気持ちこそあれど、まぁ家族で出掛けるならしょうがない。

その日は特に気にも留めず、家に帰った。


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