罪線
……21:18pm……


僕の身体は無意識にと言っていい程、勝手に動き出し、いつの間にか家を飛び出していた。


何故か右ポケットにはフルーツナイフ。足は学校へと向かっていた。


思い返してみれば、何をしようとしていたか、当時の僕には解っていなかった様な気がする。


そのくらい僕の頭は錯乱し、衝動的な行動だったのだろう。


「ふぅ……」


高まる鼓動を抑える様な溜息を一つ。気付いた時には、鳥小屋の中に入っていた。


「……どうだ?怖いだろ?」


手に持ったフルーツナイフをチラつかせ、小屋の中を歩き回る鶏に言う。


不可解。


言葉を発しない鶏に、話し掛けるなんて、全く以て不可解だ。


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