罪線
"殺意"
そんなモノは別に持っていなかった。
ただ、壊してみたかったんだ。
形ある物を、この手で壊してみたかった。
僕はチラ付かせていたフルーツナイフを、そのまま鶏に向けた。
彼らにはきっと"恐怖"なんて無いのだろうが、僕に追われ、逃げ回る。
ハッキリ言って、その姿は醜い。
が、醜い物が嫌いな僕には、壊す才能が備わっていた様だ。
かわいそうな鶏にとって、唯一綺麗になれた瞬間。
鳥小屋の中に一輪の、真っ赤な薔薇が咲いた。
そんなモノは別に持っていなかった。
ただ、壊してみたかったんだ。
形ある物を、この手で壊してみたかった。
僕はチラ付かせていたフルーツナイフを、そのまま鶏に向けた。
彼らにはきっと"恐怖"なんて無いのだろうが、僕に追われ、逃げ回る。
ハッキリ言って、その姿は醜い。
が、醜い物が嫌いな僕には、壊す才能が備わっていた様だ。
かわいそうな鶏にとって、唯一綺麗になれた瞬間。
鳥小屋の中に一輪の、真っ赤な薔薇が咲いた。