罪線
何を言いたいのか知らないが、女の顔が変になってる。


「その……ヤラせろって……言ってましたよね?」


「…………」


アホか。


「あぁ、アレね。冗談だよ。つ〜か嫌だろ?」


「別に、嫌じゃないです」


本物のアホだな。こんな、いかにも遊んでそうな野郎にホイホイ着いてくるヤツ、そうそういないだろ。


「いらねーいらねー」


「じゃ、何でもいいので、お礼させて貰えません?」


お礼ねぇ……


「んじゃアンタ、ちょっと話し相手になれよ。20分だけ」


それを聞くと、女は拍子抜けしたようだ。


「話し相手?」


と聞くと、さらにキョトンとする。


「あぁ。門限7時なんだ。あんま早く帰り過ぎても……損だろ?付き合えよ」


「ハイ!そんな事ならいくらでも付き合いますよ!」

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