罪線

家を出ると、いつも無表情であるか、若しくは悔しそうな顔しかしない見張り番達が、驚いた表情をみせる。


｢そうだろうね｣


いつも外出する時とは違う状況に、彼らも動揺を隠せないのだろう。

まぁ、彼らに嫌味の一つでも言ってやりたい所だが、そんな時間もない。

別に急かされているわけではないが、足速に現場へと向かった。


――そこから歩く事約５分。僕が空き地に着くと、生まれた疑念は確信へと変わる。


……まさかあの二人が代理人という事もないだろう。


｢……柴田と宮内……｣


それに僕が加われば、もう間違いない。


｢ま、いつかはこうなるんじゃないかと思ってたけどね……｣


そう。僕達三人は、ハメられたんだ。


いや、厳密に言えば"ハメられるところだった"と言ったところか。


｢良かった……。保険かけておいて正解だったよ｣