大好きでした
ジリジリと太陽が照りつけるアスファルト。
鳴り止む事のない蝉の声。

大好きな夏…。

思わずポツリと呟いた。
『みんな今頃何してるんだろう…。』
千華や清美や紗耶香や歩。毎日の様に逢って遊んでいた友達が何をしているのか気になった。

みんな海とか行ってるのかなぁ~。いいなぁ~。こんな所で寝てたくない…。


そんな事を考えるとますます病院に居たくなくてイライラしてきた。

そのイライラをぶつける所もなく、私は布団を頭まで被り目を閉じ感情を押さえた。



いつの間にか眠っていたのだろう。
お見舞いに来てくれた千華と清美に起こされて目が覚めた。

『海音~元気ぃ~?病院のバジャマとか着て超病人みたいだし(笑)』
千華が寝ぼけてる私を指さして笑っていた。そんな千華の一言に清美も大きな声で笑っていた。
『本当さぁ↓海音なんともないのに、マジでありえないし!脱走したい気分だよ。』
やりきれない気持ちを二人に愚痴った。


それから二人はこの一週間にあった事を色々教えてくれた。

海で超カッコイイ人にナンパされて清美はその人に夢中になっている事。

紗耶香が車ぶつけて凹んでいる事。
< 6 / 20 >

この作品をシェア

pagetop