桃色の恋
教室のキス
2時間目までサボった後、先輩は図書室を出た。
「何読もうかな」
さっき先輩が言ってた「難しい本」読んでみようかな。
背伸びをして手を伸ばす。
「よっと…」
本棚の1番上にあったその本は私でも手が届かなかった。
「いったいこんなの誰が届くのよ…」
文句を言い、その下の段の本に手をかけた。
ケータイの着信音が鳴り響いた。
「もしもし…」
『もしもし、桃?』
電話の相手は飛鳥だった。
「何?」
『次、体育だし出てきなよ』
あ、3時間目は体育だったけ。
「ん、話したいことあるし飛鳥も図書室来なよ」
『だーかーら!何でサボる前提なのよ』
あ、飛鳥のお説教。
長引かせると面倒だし、体育くらい出るか。
「分かった。行くから教室で待ってて」
『了解』
体育か。
面倒すぎるんだけど。
「しょうがないか…」
私は長い髪を1つに束ねて図書室を出た。