みそぢ手前の私と、ちゅうにの彼
プルルルル…



プルルルル…



なかなかでない寧々に
奈々の怒りは頂点に達した


ガチャッ


受話器が外れると同時に
奈々はたまりにたまった怒りを爆発させた


『ちょっとあんたどういうつもりよっ!!!
あんなふざけたものかいてっ!!!
挙げ句の果てに書籍化ですって!?
ふざけるなっ!!
いますぐけせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!』


今まで生きてきた中で
出したこともないありったけの声量で
人生初かもれない大絶叫をする奈々


大声を出したことで少し冷静さを取り戻すものの
依然として彼女の怒りは収まることは無かった



そんなこととは露知らず
電話に出た寧々は、鼓膜が破れるであろう大絶叫を物ともせず
いかにも気だるそうに喋り始めた


「そのこえぇ、姉さぁん?
そんな大きな声が出せたなんて知らなかった
で、そこまでして何が言いたいの?」


どうやら寧々が受話器を耳に当てる前に叫んだため
殆ど聞いていなかったようだ


だが事情が解らない寧々でなくても
あの叫びで全てを理解出来る人はいるわけない


と思う


タブン…
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