エクソシスト
「何者だ?どうやってここに入った?」


薫はとっさに両手を上にあげた。こうすれば撃たれる可能性がわずかでも低くなると思ったからだ。最も、とっさに腕を上げてしまったことに少し情けないと思ってしまったのだが。

女性は相変わらず銃を薫に突きつけながら腕に握っているクリスタルに目をやった。


「どこでこれを手に入れた?!」

女性の問いかけに薫はどう答えようか迷った。

先ほど起こった出来事を信じてくれるだろうか?


薫は一瞬、ためらったが素直に答えることにした。

「親父が…持っていろって……お前を導いてくれるからって…」


奏雲の話をするとあの出来事を思い出す。

思わず、涙がこぼれそうになった。
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