エクソシスト
ワイヤーを繰り出したのは、佳奈だった。


アシスト用の武器をルーシーからもらっていたのである。

それは上下に二つの穴があり、それをターゲットに向けるとレーザーで照準を合わせ、そのままトリガーを引くと電気を帯びたワイヤーが発射。ターゲットの身体を捕縛するのである。


拘束時間は短く、15秒だけであるが封魔剣があれば充分な時間だ。

「大丈夫⁈」

佳奈が薫の元に駆け寄る。


「大丈夫だよ……」

かすれ声で薫が言い返した。

無理に笑おうとしたせいでかえって泣きそうな表情になる。


その時だった。

二人の背後で悪魔がぬらりと立ち上がる。


まだワイヤーが絡まって10秒も立っていない。


まさか自力で破ったのか?

そんな考えを与える暇もなく、悪魔の両手から黒いもやが出てくる。


黒いもやは消え去ると同時に刀へと変化した。

「二刀流かよ……」

薫が歪んだ顔でつぶやく。
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