エクソシスト
刹那、悪魔は一瞬にして間合いをつめ、二人に迫る。

「危ない!」

薫は佳奈をドンと突き放すと封魔剣を出現させ、悪魔の一撃をなんとか受け止めた。


相変わらず重い一撃を薫はなんとか受け流すが、背中からは大量に血が溢れ出ていた。



そして次第に手から力が抜けていき、遂には刀を吹き飛ばされてしまった。


「しまった!」

そう思った時にはもう遅かった。

二つの刀は薫の腹部に突き入れられていた。


「くっ…そ」


薫の口から血が出る。

「井上君!!」

佳奈の声がむなしく響く。


悪魔は薫から刀を引き抜いた。


どさりと音を立て、薫の身体が崩れ落ちるのをみた。


佳奈はとっさに薫が握っていた刀を拾い上げた。


そして悪魔と向き合った。

しかし、その手は恐怖と悲しみで震えており、目から涙がこぼれ落ちた。


こんな状態で闘えるはずがなかった。
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