エクソシスト
「当たり前だ」

ルーシーは薫のすぐそばにあるイスに座りながら答えた。

「我々、医療技術をなめるなよ。世界一の技術だ」


「………」

薫は腹をさすりながらその技術力の高さを実感した。


「それよりお前を襲った悪魔について話を聞きたい」

薫はルーシーの問いに少しの間、黙りこんでしまった。


初めてだった。

格の違いを思い知らされた。


圧倒的なほどの力。

今でもあの時の記憶は脳裏に焼きついている。

この前の闘いは、単なる幸運だということが、今の薫にはよくわかっていた。

もしかしたら、これから先、あんま悪魔どもを相手にしなければいけないのか。
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