エクソシスト
「やば!早く行かないと遅刻しちゃうよ!」

佳奈の一言で薫は我にかえり、走り出した。

ギリギリのところで間に合った。危ないところだった。


「じゃー放課後、正門でまってるからねー!」


そう言うと佳奈は自分の教室へと向かっていった。

それからは一日があっという間に過ぎた。


佳奈と出かけることを心の奥で楽しみにしていたのだろう。

学校が終わり、二人は駅前の商店街へと出掛けた。


「ねぇ、そういえば知ってる?最近、この近くで通り魔が出るらしいよ。」

佳奈が少し不安そうに話しかけた。


「マジ?まぁでもいざとなれば俺が守ってやるって。」

薫が頭をかきながら答えた。


自慢ではないが、ケンカは強いほうだった。

「さっすが~!頼りにしてまーす!」

佳奈が嬉しそうに薫を見つめながらはにかんだ。
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