エクソシスト

その日の夜、薫は電車に揺られていた。

もうすぐ佳奈の誕生日が近いのでプレゼントを買いに行っていたのである。


それに佳奈は薫にとって幼馴染以外に命の恩人でもある。

彼女がいなければ今頃、薫は死んでいただろう。


ある意味、感謝の気持ちでもあった。

しかし、いざ、プレゼントとなると何を買っていいのかわからなかった。


とりあえず流行りのネックレスと遊園地のチケットを買った。

事実、彼女と一緒にいる時だけが、薫にとって現実離れした日常を忘れさせてくれる存在であった。


そんなことを思いながら電車にのっていると、突如、連結部のドアがバキンという音と共に吹っ飛んだ。