エクソシスト
残酷な言葉だった。

それだけ奴らをこちらには呼びたくないのだろう。

いや、当たり前なのか。


無差別に人を殺すような連中だ。

もし、ここに来てしまったら…

薫は、そうなった場合を想像しただけで背中に気持ち悪い汗をかいた。


「では、送るぞ…!」

「待って!」

静止に入ったのは佳奈だった。

「私も…一緒に……いく!」

なんとか絞り出した言葉だったのだろう。


身体のあちこちが、恐怖により小刻みに震える。

それをなんとか隠そうと大声で声を上げた。


そんな佳奈に薫がそっと近づく。
< 57 / 72 >

この作品をシェア

pagetop