簪彼女。


がしゃがしゃ顔を洗い終えれば、伸びーっとして。



「んー、学校でシャワーなんて変な感じ」



なんとなしに、一人ごと。


鏡を見ればペンキはいくらか落ちていて、よし次は体洗おうと残った制服をパッパッと脱ぎ始めた。


とは言っても、ペンキがついていたのは制服ばかり。


確かに、べっとりとついていて悲惨な事になってはいるけれども、逆に言えば体事態は綺麗なままなんですよね。


ほら、実際に全身鏡を見てみれば赤いペンキがついているのは手首とか首とかくらい。



……とは言え、これはこれで十分ホラーではあるんだけれどもね。



「っと。そうだ、髪の毛……も、ペンキついてるなぁ……」



ふと、服を全て脱ぎ終えているというのにきっちりと縛られた髪に目がいった。


赤い玉かんざしで纏められた髪には少しだけ赤い部分がある。



あぁ、ってことは髪の毛も洗わなくちゃいけない。


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