簪彼女。
「よう、高橋。……全国のムラムラ中学男子代表の高橋くんにもついに青い春がきたかな」
「……うるせ、変態教師」
「なるほど、教師が変態なら生徒がムラムラ中学男子(健全らしい)になるのもしょうがない」
……今日はなんつー酷い日だ。
こんな時に、広瀬先生に会っちまうなんて。
ちなみに、俺にペンキ塗りを任したのはこの先生。
さっき小野に呼ばれて来て笑いを堪えていたのもこの先生だ。
()をかっこ、かっことじ、といちいち言うあたり、ウザイ。
しかも、さっきの赤松と俺のやり取りを見ていたと見える。
「にやにやしてんぜー先生。だめだろ、生徒相手にムラムラしちゃ」
「いやー、赤松はかわいいなぁ、な?」
「いやお前、」
「先生相手にお前なんて言っちゃ行けません!」
「んなこと良いから否定しろよ!?」
常にずれた突っ込みはいちいちこっちが突っ込み返さなくちゃいけない。