簪彼女。


あぁ、私は今高橋くんの胸におもいっきり耳をくっつけているんだと、自覚をすればなおのこと恥ずかしい。


……って、何を考えているのかな、私は……。


これじゃあ、まるで変態。


もし、こんなところを高橋くんにまとわりつく、しつこいファンの方々に見られたらどうする、と自分を叱咤。


だって、もしそうなったときの大変さは十分過ぎるほどにまーちゃんに教えて貰ったから!


兎に角、自分の頬がさくらんぼ、もしくはリンゴ、下手をすればそれ以上に真っ赤になっているだろうことは自覚しています。



「あ、あのあの、……」



今度は、私が謝る番だった。


パッと高橋くんの胸から頭をあげて顔を見上げる。


視線がピッタリとあって、外せなくなってしまった。


高橋くんもピシッと止まってしまって動かない。



「私こそ、ごめん!あの、ほら、おもいっきり突っ込んじゃって……!痛いとこ、ない?えぇと、えっと」


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