簪彼女。
お日様が窓から差し込んで当たる午後。
あぁ、ポカポカするなぁ……なんて夢見心地で私は、廊下を歩いていただけだったんだけど。
廊下で壁にペンキを塗る作業をしていた男子がいたのを見たところまでは記憶してる。
で、その後は……?
「……臭い……ペンキ臭いよ……」
「あ、辺り前じゃないっ!アンタひっくり返ったペンキもろかぶりしたんだから!ちょ、待ってなさいよ!先生呼んでくるから!」
そう言って走り去った友人・まーちゃんこと小野眞子ちゃんは万年リレーの選手という強者。
きっとすぐに先生捕まえて帰ってきてくれるよね。
……しかし……
この、ペンキもろかぶり状態で私はその間どうしていればいいんだろう……
「お、おい、赤松。お前、赤松だよな?」