簪彼女。
まさか。
まさかまさかまさか。
ひとつ、思うことあって。
でも、信じられなくて。
もしこれをまーちゃんや高橋君に言ったら、その考えを肯定されてしまうような気がして――………。
「お、雪。どしたん、そんな泣きそうな顔して」
「まーちゃん。……そうかな。なんでもないよ」
「そ?なら良いんだけど……あ、良かったら今日カラオケにでも行かない?」
「え、と、……ごめんっ!今日はちょっと、用事が、あって……」
「そっかあ、残念。じゃあまた今度、約束だよ!」
何も、言えなかった。