簪彼女。
04
次の日の登校は、正直体が重くて仕方がなかった。
休もうかな、なんて思いはしたけれどもお父さんに心配はかけたくなくて。
「じゃあ、お父さん。言ってくるね!」
「ん?いつもより早い時間じゃないか、なにかあるのか?」
見栄をはって早く家を出ようとした。
「うん、友達と早めに待ち合わせして一緒に行く約束があるんだ。で、一緒に宿題もする!」
玄関で靴を履きながら、そんな嘘を並べて。
実は、スムーズに受け答えが出来るように昨日の夜からずっと考えていたことなんだ。
「そうかそうか。じゃあ、気をつけていけよ?」
「はぁい」
「弁当は持ったか?」
「もうっ!なに言ってるの、私の学校は給食でしょ!」