簪彼女。
02
「バカ雪。なにしてんのさ……」
気まずさMAXで固まってしまった私の背後から、まーちゃんの声が聞こえた。
「まままままーちゃん……」
そしてゆぅっくり振り替えればまーちゃんと先生が居た。
パチパチ、瞬きを数回繰り返す。
あ、ちょ、ペンキが目に染みる。
「す、凄い有り様だな、赤松……」
思わずたじろぐ先生、ちょいとそれ失礼じゃありませんか……。
「……何、どうしたの?」
私の様子に気づいてか、まーちゃんは首を傾げた。
一方の私は、これまたゆぅっくりと体を反転させてまーちゃんの方を向く。
こう、ゆっくりと動かないと乾きかけのペンキがパキパキいって心地悪いんだって。