冷たい彼は芸能人!!
その衝撃であたしのからだは1mくらいはなれたところに飛ばされた。
「イッタタタ・・・」
「ちょっと、華大丈夫?だからどこかぬけてるのよ~」
「ごめ、イタタ」
幸い手をついたから足は無事。
足なんか怪我したらデビューがなくなっちゃう。
あたしはいそいでたって目の前のぶつかったであろう人にあたまを下げた。
「ご、ごめん、なさい・・・」
そういうとしばらくの無言。
ちょこっと顔をあげてみると・・・
STARのボーカル担当の俊。
「いいから」
その瞬間すこし気がぬけた。
でも次の言葉であたしの中で俊のイメージはダウン
「そこ、どけて」
それだけいった。
しかもさらにあたしを睨みつけてくる。
あたしだってそんなに身長が低いわけじゃない。
小奈美は170あるからちっちゃくみえるけど実際私だって165はある。
それなのに・・・
見上げてるこっちの首がいたくなってくるほどコイツは背がたかいらしい。
「聞こえた?どけてっていってんの」
・・・ムカつく。
「あぁ、そうですか。すいませんでしたね!じゃぁ、今人気絶頂のバンドのSTARがここに来なきゃいいことでしょうが!」
そういって逃げるように小奈美をひっぱってそこをすりぬけた。
その後ろであいつがこっちを向いて笑みを浮かべてたことも知らずに。