せーの、で忘れてね



なのにさあ


あの日から


住吉は伊久さんと一緒に過ごす時間が増えてさあ



あたしには何も教えてくれなくて。



2人が付き合ってるのかも、っていう話も、あたし、クラスの子から聞いたんだよ?



寂しくない訳がない。



伊久さんも会ったらすげえ美人でニーハイブーツがよく似合う長身長髪で。



あー勝ち目ないわ、って分かってたから



中学のときや高校のときみたいに「告白」なんて、もうできなかった。



結ばれてんなら、住吉が好きなら、住吉が幸せなら、それもいいんじゃないか、って。



あー、でもごめん、住吉。



あたし、あんたがどれほどあたしを幻滅させようと


どれほど傷つけようと



たぶん一生キライになれないわ。





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