せーの、で忘れてね
「牧山ぁ。 コレ、生徒学習課に持っていきたいんだけど」
「行けば」
「行けばじゃないだろー! 一緒に来てよ、俺もちきれないし。 頼むよ~牧山しかいないの!」
バカみたい、だと思うだろう。
第三者から見たら。
あたしは住吉に頼まれちゃえば断れないし
いくら「他人を好きになる努力」をして、付き合ってみたって
結局は好きになったことはない。
ずっと、住吉が好きなままだ。
それを早く終わらせたくても、目が無意識に追っている。
耳が無意識に声を拾っている。
あーあ。
きっと、ダメンズにひっかかる女なんだ、あたしって。