せーの、で忘れてね
「まあずなあ、コレをこうしてだな‥‥」
「いや、あの‥あたし、もう戻るんで。 もう、いいですから」
アッキーは、自分の研究室でごちゃごちゃと器具を動かしている。
「いやいやあのな、ここからが面白いんだよ、ここからが‥‥‥あれ?」
「あーもういいですいいです。 機器も調子悪いみたいだし」
それに、アッキーがここからが面白いんだよって言って面白く感じたことは一度もない。
あたしは半ばムリヤリ、アッキーの部屋を出た。
ちょうど出たところに自販機があったので、あったかいココアを1つ買う。
こんなに寒くて、汗なんて全然かかないのに、喉はちゃんとかわくんだな。
そう思いながらベンチに腰かけると、向こうから歩いてくる人影が見えた。
‥‥‥‥げ