せーの、で忘れてね
バンっとすごい音で背中を叩かれた住吉は、あたしより1メーターくらい前にフッ飛ばされた。
「あれ‥? あれ、牧山!?」
「ああ、ジュンジュンか」
相変わらず一番声のデカいジュンジュンは、まあ中学時代のクラスのムードメーカーで
はっちゃけ系の彼は、なぜかダンマリ系であまり馬の合わなそうな住吉が気に入っていた。
「あれぇ、お前ら、一緒に来たの? もしかして、そういう仲なの!? もうデキてるみたいな?」
あたしたちのことを交互に指差しながらジュンジュンが叫ぶ。
この声に元同級生という名の野次馬たちが群がって、あたしたちはあっという間に
大群の中に埋もれてしまった。