君のすべてが見たかった

ミチは喋り出したら延々30分は続く部長のスピーチを少しでも早く終わらせようと、最前列に陣取り


『早く!早く!終われ!終われ!』


と念を送り続けたので、部長にしては異例の挨拶程度の15分間スピーチだった。



しかしその間も、もの凄いスピードで、ミチの思考はフル回転していた。


『あぁ ついに別れの時が来たのか…。でもケイひどい。サヨナラも言わずにメアドを変えるなんて!』



『でも、そんな奴とは思わなかったなぁ。』



『やっぱり熱があるのに何もしてあげれなかったのがいけなかったかな……。』



後5分部長のスピーチが長かったらミチの頭から煙が出ていた所だろう。



ミチは別れ話になる覚悟をしてトイレに駆け込んで、誰もいないのを確認すると恐る恐るケイに繋がるボタンを押した。




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