君のすべてが見たかった
ケイの部屋に二人で上がると、驚く程、片付いていて、持って行く荷物と思われる物も大きめのボストンバッグ2つに詰められていた。
「ねえーケイ。もう5時前だよ。少しでも早く出たがいいんじゃない?」
「ミチ、そこまでどれくらいかかる?」
「うーーん。少なく見積もっても3時間はかかるよ。だから早めに………あっ!そうか!?」
ミチはやっとで自分の考えの甘さに気付いた。
「そっかぁ。ゴメン。」
するとケイは缶ビールを2本持ってきて
「今夜は、ここで作戦会議しよう。そして明日の朝早めに発てばいいだろう。暗くなってからの山道は危険だよ?」
「そだね。じゃあ乾杯!」
「乾杯!!」
ミチは内心、なんだか頼もしいケイに乾杯していた。
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