君のすべてが見たかった
車は県境を越えるとすぐに山道に入った。


ケイは自然豊かな景色に気を良くしたのか、鼻歌を歌いだした。


この旅に文明の機器は不要だと、CDやMDは積んでないので、カーラジオだけが音源だった。


そのラジオから懐かしい曲が流れてきたので、今度はケイが一緒にハモりだした。


―本当にこんなに穏やかな時を二人で過ごすのは初めてだ。


ミチは、またしてもこの旅で大切な物をみつけた。



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