君のすべてが見たかった
心がある
その夜、僕らは暖炉で十分に部屋を暖めると、生まれたてのままの姿で語りあった。
暖炉に揺らめく灯りが適度な間接照明となって、二人を照らしだしている。
これが煌々とした人口照明の下ならありえないのだが、不思議と恥ずかしさはなく、ありのままの自分をさらけ出せる。
「ケイ。お願い。そこに立ってみて……。アナタのすべてを焼き付けたいから…。」
「……なんか照れるな。ポーズとか取るべき?」
「いや、いいよ。猿人みたく立っていて…」
「ひどいなぁ。どうせなら彫像とかに喩えてよ。」
そう言いながらも立ち上がってみせるケイ。
―ケイの割れた腹筋が大好きなんだ私。
「……あっ!こんなところにホクロがあるよ。」
ミチはケイの一つ一つを指でなぞって確認していく。
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